12月8日
 ルノーの新型Meganeを試乗した。今までのMeganeって誰が何のために乗るのかわからないような車だったけれど、今度のはまず形がいい。AVANTIMEに始まったルノーのこれからのかたちを背負ってデビューしたみたいです。Clio(日本名ルーテシア)とトゥインゴもこの後を追ってこのかたちになっていくのかもしれない。面白くて好きですね、このデザイン。前からルノーの中ではLagunaのデザインが気に入っていてこれからちょっと日本でもいけるかもと思っていたのだけれど、これはほんとにちょっといけますよ。AVANTIME,Laguna,Meganeこの3本できっと日本では水をあけられたプジョーにもちょっとは追いつくでしょう。それくらい良いクルマだと思うのです。
 乗ったのは1.9Lのディーゼル。メルセデス、フォルクスワーゲン、ルノー、プジョーもみんなものすごくいいディーゼルエンジンを開発しているのになんで日本はそれが禁止になってしまうんだろう。ヨーロッパで半分近くの需要を占めるディーゼルエンジンは本当に悪者なんだろうか。ものすごく、ものすごく疑問だ。いつもそういうことの裏に何かがあるから。日本で乗れなくなったディーゼル車はみんなロシアだとか中東あたりに輸出されガンガンと働くだろう。それでまた日本車の評価が高まるなんて皮肉なもんだ。ホンダだってフォードだってヨーロッパではディーゼルエンジン作ってるくせに。
 そう、このクルマにはイグニッションキーが無くてS2000と同じ方式のスタート・ストップボタンでのエンジン始動でした。かっこいいけど落ち着かない。そういえば以前のガールフレンドの(また昔の話だ)サーブのイグニッションにも慣れなかった。慣れないままに別れてしまった。クルマの話とはまったく関係がありません。支離滅裂、乱文散文、失礼候。




12月7日
 ニュースの欄にも書きましたが少し旅行に出ていました。せっかくフランスにいるのにずっとパリにいるのではもったいない。東京だけが日本じゃないようにパリだけがフランスであるわけが無い。それで週日の、その上冬の寂しいノルマンディー地方をゆっくり旅してきました。映画『男と女』で有名なドゥーヴィルとその向かいにあるトゥーヴィル、どちらも観光地なのだけれど今はまったくの季節外れ。なんといってもこの寂しさがよかった。
 オカマの友達がその友達を訪ねて行くという旅に同行したものだからあちらで会う人は全員オカマというかゲイ。まあ、どっちでもいいんだけれど今のところ僕には被害が無いというのが最も重要なポイント。ステイも67歳のはげちゃびんのノルマンのお宅。暖かい人たちばかりで本当にリラックスして過ごす事が出来た。ノルマンの訛りにはまいったけれど。
 でも本当に僕がまいってしまったのはノルマンディーの自然。アイルランドを旅したときもそうだったけれど田舎のヨーロッパというのは冬だというのに本当に緑は緑として濃く、その他の色との対比がとても美しい。そこに落ちる枯葉だったり、そこに差す影であったり、鳥だったり。そこに立つ葉の落ちた木々の美しいこと。看板とか蛍光灯などの安っぽい人工モノが見渡すかぎりに何もない、というのは本当に気持ちがいい。パリに戻ってくる電車の中、だんだんとそういったものが増えてくるのを見ていると、肺の中が汚れてくるような、またそれが妙にしっくりくるようなそういう気持ちでした。
 それにしても今回は何回も「ああ、外国だなあ」と実感してしまいました。なぜだろう。
 明日は弟の誕生日。彼はいくつになるんだろう。

11月29日
 このところ毎日のように学校が終ってからはサンジェルマン近辺のギャラリー街をうろついている。ちょっとした頼まれ事のためだったのだけれどすっかり夢中になってしまった。「ギャラリーは最も安い美術館である」といつも言っていたのは昔のガールフレンドだったけれど、まさにその通りなんだと今ごろになって思い出している。だいたい大事なことと言うのはいつもあとから思い出すものだ。やれやれ。
 それでそうやってふらふらと歩きながら驚くのはその量と質。僕は他の都市はあまり知らない、ニューヨークも東京も知らない。でもやっぱりこれはすごいだろう、他には負けないだろうとなぜかしら自慢したくなる。空が曇っていて夕方に暗くなってきてもふわふわと浮遊しているように気分がいい。このあたりの人達みんなが美しいものを美しいと認め、その中で暮らすことを求めている。そういう気持ちが空気感染してくるんじゃないかと思う。このカルチェに住む友人二人をとても羨ましく思った。一人はゲイのジャーナリストであり、もう一人は芸術家である。どちらもやはり美しいものが大好きな人々だ。そうありたいなと思いながらも帰りに近所のスーパーでパルミジャーノとソーセージを買ってうちで簡単な夕食を作って食べた。あまり美しいと呼べる食事ではなかった。。。そして葛藤は続く。


11月27日
 またしても猛烈な二日酔い。今打ち込んでいる小さな文字を見ているだけで少し気が遠くなってくる。昨日我が家で開かれたアジア人によるお好み焼き大会から一夜明け、散らかった宮脇の部屋にはワインの空き瓶が10本くらい転がっている。あんなに飲んでみんな無事に帰ることが出来ただろうか。
 発端は先週、台湾人のふーさんのうちで行われたホームパーティー(フランス語だとフェットという)の席で、友人が宮脇もなかなかやるらしいと誉めてくれるもんだから、「じゃあ今度はうちでやろう」と言ってしまった。普通はここでそうねそうねで話は次に移行していくのだけれど、それを許してくれない韓国人のテーワン、「いつ?」で昨夜になったわけだ。その席で皆がお好み焼きを食べたいと言うのでメインメニューはそれで決まり。コンロの都合で一枚ずつしか焼けないお好み焼き、そのあいだに食わせるものを用意しなくてはならない。その日も学校があるのであらかじめある程度仕込んで置けるものがいい。それで作り始めたのがパーティーの3日前、中華街で買出しを済ませ、まずメインのお好み焼きの具になる牛スジをことことと煮はじめる。豚バラで角煮も作る。松前漬けを仕込む。牛スジが出来たらそのスープを使って大根を煮る。角煮のタレに半熟ゆで卵を漬け込む。とりあえずそれだけを前もってやっておいたので当日はクレソンをさっと茹でておひたしに、アリコ・ヴェール(いんげんっていうのかな?)も茹でて冷蔵庫で冷やしておいた角煮をスライスしてと一緒に盛り合わせる。白髪ねぎも一緒に。大量のねぎと少しのキャベツをきざむ、紅生姜もきざむ、天かすを作る。朝のうちに山ほど買っておいたムール貝を掃除してエシャロットとワイン蒸しにする。ビールだけはこっちで用意してワインは皆が持ってくることになっている。日本人の友人に夕方から手伝ってもらって何とか7時スタートに間に合わせた。
 それで続々と皆がワインを持って集まってくる。台湾、中国、韓国とわが日本、合計で9名が狭い我が家に集まっておかしなことにフランス語で話をする。他に共通語が無いのだから仕方ないけれどはたから見たら結構面白い光景だろうな。いい加減なフランス語だけれどちゃんと分かり合えるものだ。考えてみたら日本語で話し合ったって分かり合えない人はたくさんいるもんね。理解してもらいたいと思うこと、理解しようと思うこと、そういう気持ちが無ければ人間は上手くコミュニケートできないものなんだなどとあらためて感じたのは昨日の未明だったか。
 人がうちにやってきて美味い美味いと言って僕の料理を誉め美味しいワインを飲んで楽しんで満足して帰っていく。翌日は結構しんどいけれど僕にとってはなかなかの時間です。


11月22日
 ものすごく気分が悪い。いきなりこんな出だしで申し訳ないんですが二日酔いなんです。ボジョレ・ヌーヴォーが昨日から解禁になったと友達から誘いを受けてのこのこと出掛けていったのが8時頃。ボン・マルシェからサンジェルマンデプレにむかって行った所にあった異常な盛り上がりを見せる飲み屋さん。なんなんだというくらいの盛り上がりはヌーヴォーのせいなのか普段からそうなのか。。。で、サラミのサンドイッチつまみながら恋愛とか人生の話をしていたら!!!二人で4本も飲んでしまいました。いやあ、久しぶりにべろべろになりましたね。当たり前です。どうして2本くらいでやめることが出来ないんだろう。翌日である今日の夕方、今現在まだ酒臭いです。
 それでもちゃんと学校に行って、19区のビュット・ショーモンの公園(初めて行ってみたのだけれど素晴らしく美しい公園だった)の横でやっていたブロコントを覗き、来週我が家で開かれることになっているお好み焼きの会のためにオペラの日本食材屋で紅生姜を買って帰ってきました。これは僕だけなのかもしれませんが、二日酔いの時ってものすごくのどが渇くし息も切れるんです。今日は階段昇るの嫌だなあと思っていたら、直っていました。エレベーターの話です。苦節3ヶ月、毎日毎日6階(日本式7階)まで昇ってきてよかった。別に3ヶ月昇り続けたから誰かがご褒美に直してくれた訳じゃありませんが、それでもいい。とにかくよかった。お祝いに酒でも飲みたいところですが今日はどうしても飲めそうにありません。あんまり久しぶりにこのエレベーターに乗ったものだから何階のボタンを押すのかを戸惑ったほどです。慣れとは実に恐ろしい。
 細かい文字を見ていて目眩がしてきたのでちょっと昼寝します。ではでは。


11月20日
 日本もそうだと思うけれどそろそろクリスマスシーズンというか商戦というか、そういうものが始まってきた。僕はわりとこういう「さあ、もんなで楽しもう」的なイベントなどが苦手なほうなんだけれど、こちらではそういう風には感じていない。なんででしょうね。
 ギャラリー・ラファイエットを皮切りに各デパートのウィンドウは子供向けに趣向を凝らしたディスプレイをスタート。中でも僕が一番すきなのはボン・マルシェのディスプレイ。ここは常にディスプレイには気を使っているので前を歩くのをいつも楽しみにしている。今回のクリスマス用のものもまたすごい。子供がかぶりついて見ている。子供が見やすいようにステップまでつけてあるのがまたかわいい。フランスの子供たちって普段は人間扱いされていないので、一年に一度、まるで日本の子供たちのように扱ってもらえる貴重な時期なのです。 
 パリの街中ってほとんど子供を見ることがありません。観光でパリに来ても実感できると思います。学校にいっているみたいですね。それがちゃんと夕方まである。朝から晩まで学校に行くかわりに水曜はオヤスミ、土日もオヤスミ。で、オヤスミの日は何をしてるかって言うと親が出かけなくちゃいけないのでベビーシッターに預けられてPSでもやっているんでしょう。レストランにもカフェにもショッピングにも連れて行ってもらえません。そういうところにはまだ人間になりきっていない子供は出入りすべきでないと思われているのです。だから子供を置いてベビーシッターに預けて夫婦が出かけるというのは普通の日常であり特別なことではありません。姑に白い目で見られることもありません。だから、夫婦が男と女であり続けることが出来るのかもしれません。いや、これは一般論ですよ。僕は子供があまり好きではないので騒ぐ子供がいないというのはとてもありがたいし、大人として過ごしやすい。ガキンチョが生意気に!きーっ!なんて思わなくてもすむ。子供がいる友達でも遠慮なく誘えるし、まさか連れて来ないだろうなと心配する必要も無い。いや、これは素晴らしい。
 どこにも連れて行ってもらえない子供たちよ、クリスマスは君たちのためにある。思い切り堪能してください。




11月19日
 なんだか最近忙しいな、と思っているとあっという間に前回の更新から一週間以上経っている。週に4回のフランス語の授業のほかにさらに一回の個人レッスンをはじめたものだからなおさらである。なんで急にそんなことになったかというのは、いつまでここにいられるかわからないなら出来るうちにフランス語をやっておこう!というモダンな考えからなのだ。というわけで毎日フランス語のテキストと闘っている日々、更新が遅れてごめんなさい。
 
 なんとフランスにもi-modeが登場。そう、あのi-modeである。夜のラスパイユ通りに何か見たことのある看板。もしやと思ったらやっぱり。パリの夜に浮かぶ i の看板。フランス3番手というかびりっけつのブイーグテレフォンがこのサービスを開始するのだけれど、うーん、どうなんだろう。僕が思うに発展するのは難しいのじゃないかな。
 というのはフランスってインターネットの普及も相当遅れていると思うし、携帯は大好きだけど機能的にはまだまだ。日本や韓国に比べたら確実に3年は遅れてる。カラー液晶使ってる人、いません。着信音、和音じゃありません。Eメール、使えません。テレビ?冗談じゃありません。結局、携帯電話がちゃんと携帯電話であり続けているとフォローしておきましょう。日本から友人が来ると僕の携帯を見てその小ささに一様に驚きますが、違います。日本のは機能が多すぎてでかくなってしまったんです。バッテリーだって1週間くらい持つでしょ?こっちのはそうは行きませんから。そう、そんなこんなでフランスではi-modeは普及しない!と言い切りましょう。まだまだマイナーなほぼアナログ路線をひた走るでしょう。




11月7日
 10月の終わりくらいから街のバス停の広告をABSOLUTが席巻し始めた。ABSOLUTというのはフィンランド(だったかな?)のウォッカの名前でその広告がとてもモダンでシックでインテリジェントなので有名、正直僕はこれが特別美味しいとは思わないのだけれど置いてあるだけで絵になるので自宅用に買い求める時は必ずこのウォッカ。この広告のコレクターでもある。300種類くらいは持っていると思う。
 前置きが長い。悪い癖である。そう、このABSOLUTがパリの洒脱なレストランやカフェやクラブとタイアップした広告をスタートさせたのだ。はじめは何のことだか全然理解できなかったのだけれど、これが店の名前だとわかった時にそのセンスが理解できるようになった。あいかわらず洒脱でしたね。パリに来てからABSOLUTの広告は一度も目にしていなかったので寂しく思っていたわけです。それがこういうかたちで登場したのだからちょっと興奮してしまいました。結構歩き回ってバスに乗っていろんなバージョンを確認したのですがカメラで撮ってみたのはたったの一枚。あっという間にそのキャンペーンは終ってしまったみたいです。せめてその一枚だけでも皆様にお見せします。QUEENというのはシャンゼリゼ通りにある大きなハコ、主にゲイピープルの踊り場としてとても有名です。




11月6日
 10月のウララコラムで触れ、以前からためしたいとかねがね思っていた時速9キロの動く歩道についに乗った。2回も。場所はモンパルナス駅、ご存知のように当駅はパリでも最も大きな駅のひとつであり地下鉄の乗り換えにも時間がかかる。それでそのあいだに動く歩道が往復であるわけなのだけど、今回登場した(搭乗したとも言える)のはそのあいだにできた「超高速動く歩道」。どうせフランス人のやることだから、降りるところが大変なことになるんじゃないかと意地悪く予想していたけれど、そうじゃなかった。乗るところと降りるところの5メートル程はベルトコンベアではなく小さなローラーが幾つも地面で回っているという感じのもので、ベルトコンベアのゾーンまでスムースに繋がるようになっている。下の図でだいたいわかってもらえるだろうか。

    ベルトコンベアの部分(時速9km)
           ↓
○○○○○( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)○○○○○

ローラーの部分(ちょっと遅い)

 時速9kmの部分をさっさと歩いているとまるでマトリックスのような気分になる。それは本当に気分のよいものだった。だから皆さんにも是非お勧め。わざわざパリでマトリックス。


11月5日
 まだあると思っていた2週間の休みがあっという間に終ってしまった。学校からの宿題も結局、その日の朝ギリギリに終らせることができたのだけれど、あまりにも進歩が無い自分に反省する。まるで小学生のままじゃないか。それにしてもなぜ楽しい時間というのはこうも夢のようにはかなく終ってしまうんだろう。


10月の読み倒し
今月の読み倒し。村上春樹『海辺のカフカ』、『風の歌を聴け』、『1973年のピンボール』
梁石日『終りなき始まり』、吉本ばなな『自選選集1』
、浅田次郎『霞町物語』

10月27日
 長い長いサマータイム期間がようやく終った。10月の最終日曜日の夜12時に時計を一時間遅くするのが正しい方法。でも、きっとみんな忘れているだろうから今日の待ち合わせはいろいろな混乱が起こっただろうな。時間が一時間ずれるというだけで結構生活に影響がある。あさ、明るくなるのは昨日までは8時ごろだったのが今日から7時になる。ちょっと嬉しい。
 日本の叔母から小包が届いた。ぎっしりと日本の食べ物が入っている。バンザイしてから手を合わせていただくことにした。その中に入っていた日本の米!なんと美味しいことか!!!あまりに美味しくて他のものと食べるのがもったいないくらいだ。普段はあまりご飯はたくさん食べないのだけれど今日は一合食べてしまった。合掌。
 日本からEMSで送るとフランスではCHRONOPOSTという会社がその配達業務を代行することになっている。この代行というところが曲者だと思うのだけれどめちゃくちゃにサービスが悪い。普通は不在だと郵便局に戻ってしまうし、運が悪いとクロノポストの本部まで取りに行く羽目になる。これがまた遠くてものすごく歩かなくちゃいけない。今回はたまたま在宅だったのでよかったけれどその配達員、ドアをあけるなり「次からは郵便局に取りに行ってくれ」、理由を尋ねると「だって、エレベーター使えないじゃないか」。だって今故障中なのだ。もう2ヶ月も経つけれど。僕のせいでもないし、だからといって次から僕が郵便局に行かなければならない理由はない。僕もものすごく腹が立ったのできちんとその旨を伝え、無言でお引取り願った。さっさと帰りやがれ。あれはいけません。
 普通の航空便とEMSとは値段がだいぶ違うわりに届く日数はあまり変わらない。不在だったりすると逆に時間がかかることもあるので、よっぽどの急ぎでないかぎりフランスへの小包は普通航空便を皆様にお勧めします。にっくきクロノポストをこれ以上儲けさせてはいけません。

10月23日
 今日はフランスのレンタカー事情について。大手のAVISとかHertzは世界どこでもシステムはほぼ同じ。日本と違うのは週末のほうが安いということくらいでしょうか。だいたい大手は週末プランみたいなのがあって土日をはさむとかなり安くなっている。メンバーカードを使うとさらに30%オフ。(平日は10%オフ)
 この大手主流のレンタカー業界のドテッパラに風穴を開けたのが(表現が古いけど、しっくりくる)またもやEasy グループ。飛行機業界、インターネットカフェに続きEasycar.com がレンタカー業界でも大暴れ(これも古いか)。なんといってもその魅力はメルセデスAクラスが1日10ユーロくらいから借りられること(週末は50ユーロくらいまで上がる)。スマートなら8ユーロからだ。ただしこのEasycarには他のレンタカー会社とは全然違うシステムがたくさんあってはじめは戸惑うはずなので大まかに箇条書き。

・予約はインターネットからのみ。事務所に直接行ってもPCが置いてあって、そこからしか予約できない。
・支払いはクレジットカードのみ。よくわからないイギリスのカード以外では(つまりMC、Masterでも)5ユーロのチャージがかかる。
・キャンセル不可 何があってもキャンセルはできない。つまりお金は戻ってこないが変更は可能、もちろんネットからのみ。
・1日1日の値段がそれぞれ異なっている。週末が高いのはわかるけどそれ以外はどうしてこの値段なのかよくわからない。
・基本は朝借りて夜11時までに返す。遅く借りたり、早く返すことが事前にわかっている場合はその分安くなる。
・車にダメージが残った場合、他の会社より免責額が高い。
・借りる際に車のキズを自分でチェック。キズがある場合(ほぼ必ずある)、必ず契約書にどこどこにどのキズなどと明記すること。そうしないと、返す際にそれ以外のキズがあった場合にお金を取られる。
・ガソリンはエンプティ−toエンプティ−、つまりカラで借りてカラで返す。運がいいと一杯入っている、もちろんカラで返す。
・返す際に車を綺麗にして返すこと。汚いと洗車代を取られる。この辺の判断基準は難しい、担当者の気分次第のはず。
・一日のマイレージリミットは100キロ、大手の会社だとだいたい250キロのところが多いけどリミットを越えてからの1キロ辺りの超過金額はEasycarのほうが大幅に安い。
 
 こんなところなのですがその特異性がわかっていただけたでしょうか。。だからちょっとした旅行に出るときは飛行機、電車、レンタカー大手、Easycarの料金を必ず比較することにしています。たとえばEasyJetだとロンドンまで約25ユーロ〜だけど(ただし帰りは45ユーロくらい)荷物の重量リミットが普通よりかなり小さいし、市内からの空港までの時間と費用がかかる。電車、この場合はユーロスターだと北駅からウォータルーまでダイレクトに行けるし、荷物重量リミットはなし、『早割』を使うと往復で105ユーロの時もある。正規だとたしか350ユーロくらいだから早めにわかっていたらユーロスターが絶対正解。
 レンタカーを使うんだったら、週末かそうでないか、どれくらいの距離があるか、人数によってあらかじめ見積もりが自分で出来る。それによって大手のほうがいい時もあるしEasycarのほうがいい時もある。この計算にはかなり熟練してきて(貧乏さゆえに)、正しい選択方法を身に付けました。でも、駐車違反の罰金は計算外でした。
 そう、パリで初めての駐禁切符を切られてしまいました。夜遅くに帰るとどこにも、本当にどこにもとめるところがなくてちょっとした歩道にとめたのが翌朝きっちりとワイパーに違反切符が。どこでどうやって支払うのかがわからないので、翌日に切符を切っている係の人に(あれは警察とは違う機関のような気がする)直接聞いてみると、これはタバコ屋で印紙を貼って投函するのだということが判明。点数だとかそういうものには関係が無いみたいです。罰金は35ユーロ、その違反の種類によって11ユーロから135ユーロまで4種類。あまり高くはないけれど久しぶりの違反切符で気分がげんなりです。
 補足:別途、切手も必要です。やれやれ。


10月22日
 ほとんど毎日のように雨が降る。一日中ということはないのだけれどちょっとくらいは必ず降る日が続いている。ヨーロッパの長く暗い冬の始まりだというわけだ。始まりますよーと宣告しているようにも見えてくる。余計なお世話ではあるが、雨も悪くないなと大人になってから感じるようになった。雨の匂いとか、みんながそわそわとときにはいらいらと急ぐ様子とか、ワイパーににじんでいく光とか、雨の音、雨だれの音、外の音の遮断され具合とか。うん、悪くない。
 一日中は降らないという事は待っていればやむということで、実際に僕もこちらで傘を使ったことが無い。雨が降ったら止むまで待つ。実にシンプルで合理的で原始的。待つ時間はいくらでもある。フランスと日本では時間の流れ方も違うのだ。
 とはいえ、このあいだすごいものを発見した。モンパルナス駅にある200メートルくらいの動く歩道なのだけれど、そんなものはいまどきどこにでもある。すごいのはその往復路の真ん中に出来た「超高速動く歩道」。時速9キロと書いてある。普通の人間の歩く速さは時速約3キロ、普通の動く歩道も3キロ、乗って歩けば6キロ。100メートルを10秒で走るそのスピードは1分で600メートルだから60分で36,000メートル。つまり時速36キロ。42.195キロを2時間15分で走るスピードは平均で時速19.6キロ。なんとなくぴんとこない。
 とにかく「超高速動く歩道」上を歩けば約12キロの速さで歩くことが出来る。これはすごいというので何度も出かけてみるのだけれど、どうもラッシュ時しか動いていないらしい。でもラッシュ時なんてそれこそ歩道の終わりのところで何人もの人がつまづいて転んで、されにそこにどんどん人が12キロのスピードでやって来て。。。面白すぎる。これは是非に見に行かなくては。もちろん乗らなくてはいけない。
 どうせフランス人の気まぐれで作ったものだろうから、すぐになくなるに決まっている。早く行かなくちゃ。パリに来る予定のある方は急いでください。乗り遅れます。



10月21日
 このところどうもストにあたることが多くて困る。もういちいち怒ってられないのだけど、困ることは困る。いつも乗るバスに乗ると逆方向に走り出すので何が起こったのか一斉にみんなが運転席に聞きに行く。「ストなの」、ひと言で片付ける奴らも奴らだがお客も全員納得してしまう。「そりゃ仕方ない」。バスのストではなくほかのストの為に道路が封鎖されバスが通れなくなるという自体にも出くわす。同じように乗客は運転席に走るのだが運転手も不測の事態だったと見えて本部に問い合わせている。問い合わせながら乗客の質問には「知らない」「わからない」の連発で有無を言わせずプシューっとドアを開ける。「どうぞ、帰りたい人は帰ってください」
 みんなそれぞれ自分の権利を遂行するのが当たり前であるから、他人に関してもその件に関しては寛容である。素晴らしいのか素晴らしくないのか。日本だとどうだろう、自分にも厳しいからもちろん同じ水準を他人に要求する。自分にだけ甘いか?だいぶ違います。
 サン・ジェルマンからモンパルナスまでのレンヌ通り一直線、歩行者天国になったのは見事だった。ストのおかげである。



10月20日
 生まれて初めてチョコレートを買った。突如として、のどが渇くようにチョコレートという食べ物が食べたくなったのだ。スーパーマルシェに入ってふだん行ったことのない「お菓子コーナー」に足を入れる。食材やビールのコーナーはお手の物なのにまるで勝手が違って全然わからない。チョコレートの棚って言ったって上から下まで両手を広げても足りないくらいのチョコが並んでいる。いろんな種類がありすぎてわからないので、うれしそうな顔でチョコを選んでいる兄さんに聞いてみた。この兄さんがものすごく丁寧な人で(その道の人だったか)、カカオの含有からミルクのあるなし、糖分についてまでしっかりとレクチャーしてくれたおかげで、一瞬、世界で一番チョコレートに詳しい酒飲みになった気がした。これまで、ミルクチョコレートというものがあることすら知らなかった。それで手にしたのがカカオ78%のショコラ・ノアール(ブラックチョコレート)。さすがに体が欲しがっていただけのことはあり、ものすごく美味しかった。
 それにしてもいったいどういう風の吹き回しだというのか。今まで甘いものというものが嫌いだったわけではない、どちらかというと興味がもてなかったのだ。一人暮らしをして食生活が変わっただろうし、そのせいでかだいぶ痩せたし、飲みすぎることも少し減ったし、煙草をあまり吸わなくなったことと関係があるのかもしれない。でも、きっと疲れていたのだ。
 この2週間くらい(そういえばこのウララコラムも10日振り)、忙しかった。ものすごく忙しくてくらくらだったのだ。学校の宿題に追われるし、日本から二組の友人が遊びに来るし、何回かのパーティーもあったし、そういうことに追われてまるで自分の生活が出来なくなっていた。そういうときに限って上手く眠れないもので、チョコレートというのが体からの指令だったのかもしれない。一昨日、久しぶりに選択をしたら靴下が丁度15組あった!
 昨日の朝は友人宅で目が醒めて死ぬ思いで蚤の市を回り、午後に昼寝をしようと思ったらそのまま18時間くらい寝て今日の朝に目が醒めた。僕はナカタさんか?こんなに深く眠りについたのは本当に久しぶりだったので、目が醒めた時はいったい何が起こったのかを把握するまでに3分くらいかかった。それからなんだか一人で笑ってしまった。まだまだわしも若いな。
 そういうわけで今日はすこぶる機嫌がよく一人でかき揚を丁寧に揚げて豪快に食べた。丁寧に料理をするととても気持ちが落ち着くしたいていのものは美味しく出来る。あまり裏切らない。ぼりぼりと音を立てて崩れ口の中に突き刺さる感触がとても心地よかった。



10月10日 旧体育の日←やっぱり体育の日はこうでなくちゃ。10月10日であるべきという意味で。
 『海辺のカフカ』、素晴らしい本でした。心の奥底の井戸に小さな一滴を確実に落とします。これから読むつもりがある人はこの先を読まないほうがよいかも。
 僕は村上春樹の作品のなかでは結構古いもののほうが好きなんです。デビューから『羊をめぐる冒険』、『ダンス・ダンス・ダンス』を含めた「僕」のシリーズと『ノルウェイの森』それから『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』、その辺りです。でも読み続けてきてよかった。
 彼の作品の多くがそうであるように、この『カフカ』もまた明確な答えというものが出て来ない。犯人がつかまって裕次郎がブラインドの隙間から目を細めて下を眺めていて、そこにエンディングテーマが流れるというわけにはいかない。問題を残しつつ読み手に想像させて物語が終る。その余韻のようなものがたまらなくいい。多くのメタファーがそこにあり、やはり多くの人が死ぬことになる。生きること、死ぬことというのは僕たちが考えることを避けて通るわけにはいかないことで、生きている間ずっと死ぬことについて考えることになる。死ぬことを考えられないと生きることも考えられないのではないかと僕は思う。
 物語はある少年の家出ともう一人、ナカタさんというおじさんの二つのストーリーが同時に進んでいく。まさに『世界の終り』と同じ手法であり、同じようにその二つの世界が交わってくる。ある意味では続編なのかもしれない。『世界の終り』の世界に少年は入ることになるし、その鍵を握っているのはやはり図書館であったりする。カラスと呼ばれる少年は主人公の影でありナカタさんはその影を少年時代に失った人である。
 人によって、あるいはそのときの心境のようなものによって解釈は違ってくるので、みんなでそれは感じるままに読めばいいのだけれど、控えめに言っても村上春樹という人が現代日本作家でもとびきりのストーリーテラーであることは間違いが無い。こうして書いているあいだにももう一度読み返したくなってきた。この作品にもまた続編が出るのかもしれない。期待はしなくても待つ価値がある。まだ胸が高まったままだ。



10月5日
 一昨日読み始めた『海辺のカフカ』が止まらないので今日も寝不足で早朝のヴァンヴ蚤の市へ行くことになった。土曜日しか早朝に地下鉄に乗ることがないので(起きていることもない)、その光景に毎回後ずさりしてしまうくらいだ。なぜかというと、なぜでしょう?それは、乗客ほぼ全員が貧しい。リッチピープルは週末の朝6時半に地下鉄に乗ったりはしないのだ。だから乗客全員が週末に働かなければならない自分の運命を呪いつつ、昨日の酒も残りつつ、という恐ろしい出勤体制なのである。そこに勇気あるチャレンジャーである地下鉄ミュージシャンが入ってきてもどうも上がりは少ない。当然だ。自分の運命を呪っているのだから他人に手を貸している閑はない。
 昼過ぎからRERで郊外に出かけて凱旋門からモンパルナスに戻ってくる途中のこと、地下鉄ミュージシャンの中でも僕が最も苦手とする『歌う人』が入ってきた。なぜ苦手かというとたいていが恐ろしく下手だから。楽器も出来ないけれどとりあえず歌でも歌って手っ取り早く稼ごうという腹が気に入らない。今日のお姉ちゃんも例に漏れず恐ろしく下手だ。読んでいる『カフカ』も行を眼でなぞるだけで一言もアタマに入らないので思わずばたんと本を閉じ出て行くのを待つことにした。1曲終ってカップを持って車両を回っていくのだけれど、いや結構みんなお金入れてる。普通だとこのレベルでは稼げないはずなのに、週末の財布のひもはやっぱりちょっとゆるいのかも。
 この地下鉄ミュージシャン達、ちゃんと縄張りもあれば暗黙のルールもあるらしく、いつも決まったラインでお仕事をしている。うまい人はちゃんとオーディションを受けて地下鉄の会社が発行する『プレイ許可証』を持っていて構内で演奏してもいいことになっているらしい。車両に入ってくるのはみなノワール(闇)。たまにキセルでつかまっているのを見かけると「父ちゃん、明日からまた頑張れよ」と心ながら声援を送る。



10月4日 
 治ったと思った風邪が少しぶり返してきてちょっとのあいだ無理を止めていました。それもあってこの更新。いつまでも甘やかすとどこまでも落ちていくタイプなので一昨日辺りからは完治したことにしての行動に。
 エレベーターが壊れてからもう一ヶ月以上経っていることはこのあいだも書いた。毎日1回ないし2回くらい往復しているのだけれど、やっぱり慣れてくる。だんだんと光の射し具合が変わってくるので階数表示を見なくても今何階にいるのかがおおよそわかる。そして明るくなったところに我が家の玄関が迎えてくれるというのは実に気持ちがいいものだ。
 知り合いには全員に愚痴っているけれど、はじめからエレベーターのないアパルトマンが結構多いこがだんだんわかってきた。そういえば僕はここで5箇所目のアパルトマンだけれど、エレベーターがあったのは2軒だけだ。あまりそういうことにはこだわらない、それよりも環境とかインテリアへの関心が高いんだと思う。
 日本にいるときはそれこそどこに行くのにも車で動いていたので歩くこともあまりなかった。家の隣の駐車場まで歩いて10歩、会社のガレージから会社まで15歩。1日1000歩、歩いていたかどうか怪しいもんだ。友達のうちが4回でエレベーターが無いことをののしっていたような気がする。それが今は本当によく歩く。そのせいかパリにきて8キロくらい痩せた。もちろん食事のせいもあるし飲んでから牛丼とかラーメンとかそういうジャンクフードも食べなくなった。飲む量も減っているけれど、大きな原因はよく歩くことだろう。
 パリでは何年か前に地下鉄とバスの大掛かりなストライキがあって、約2ヶ月くらいのあいだみんな歩いていたらしい。その時に自転車とローラーブレードが爆発的に増加して今に至るらしい。ローラーブレードは挑戦しようと思って中古を買ったのだけれど、一度練習してあっさりお蔵入りした。5メートルも進めなかったからだ。またいつか気が向いたら・・・。
 パリの街を歩いているのは楽しいのであまり苦にならない。どこの路地を入っても新しい発見があるし感動がある。飲んで遅くなった帰りにルーブル美術館を通ってポン・ヌフを渡って、画廊街を抜けサンジェルマンからブティック街のシェルシュ・ミディを歩く。綺麗なウィンドウディスプレイに感心しボン・マルシェのあるセーブル・バビロンから住宅街の我が家に戻ってくる。パリで生きているんだなという実感がわいてくる。でも一番それを感じるのは、踏んでしまった犬の糞を靴底を歩道の角でこそぎ落としている時なのかもしれない。


 9月28日
 昨日の朝、例によって夜明け前に起き出してヴァンブの蚤の市に出かける。どうも嫌な寒気がするのでずっと寝ていたのだけれど、どうやら風邪です。当たり前か。関節は痛いわ、あちこちの筋も痛い。あんまり風邪をひいて寝込むことはなかったはずなんですけどね。自慢ではないが二日酔いで早退したことはあっても風邪で休んだことはない!(はず)
 こういうときは一人身は辛いですな。洗濯物も洗い物もたまっていくわ食事だって作らなくちゃいけない。前に書きましたっけ?ここのエレベーター、もう1ヶ月以上も壊れたままなんです。日本からスーツケース抱えて戻ってきたときは涙が出そうになりました。だって6階(日本式7階)なんですよ。だからちょっとお出かけしてちょっと食べてくるか、なんてことが出来ない。
 だから今日は週末だけれどどこにも出かけずにうちで本を読むことにします。先週、パトリシア・コーンウェルの検屍官シリーズの第4作から7作まで一気読み。なんとなく飽きてきたので、というのは常にケイ・スカーペッタは最後に犯人と直接対決する運命にある。体が持ちません。そう、それで飽きてきたので趣向を変えて梁石日著『終りなき始まり』という長編に取りかかっている。先日、遊びにきた従姉が置いていってくれた本。



9月24日
 ああ、寒い。天気はよいのだけれどなにせ風が強くていけません。僕の部屋は北向きなのでこういう日は寒い。窓から隙間風がぴゅ−ぴゅーと入ってくるのに気が付き、目張りを施してやった。これで来る冬にも万全の対策である。とはいえ、我がアパルトマンにはまだ暖房が入らない。セントラルヒーティングで棟ごと暖めるので個人では暖かくできないのがこのセントラルヒーティングの弱みだ。独立式の暖房に比べると電気代が一切かからないのでその点はありがたいのだけど秋と夏の始めが寒い!哀しいことになんともならない。
 というわけで勉学の秋。2歳児レベルを脱却しようと区役所のフランス語講座に通うことになった。この区役所の講座は主に移民の方々を対象にしているんだろう、とにかく安い。1日2時間、週4回の授業で120時間(つまり15週間)で142ユーロ。前に半年通ったアリアンス・フランセーズが同じプログラムで1ヶ月292ユーロだったからその安さは破格級。そのクラスわけの試験が今日あって何とか闘ってきました。レベル2を受講するつもりなのでそうは問題ないと思うけれど、久しぶりに(6月のソルボンヌの無料夏期講習以来か)筆記しようとしても全然書けない。普段話している言葉でも全然書けないんです。やっぱり筆記は難しい。文盲率も高いわけです。
 来週の月曜日スタート、結構緊張するもんです。友達100人目指して頑張ります。明日は24時間レースで知られるル・マンの大きな骨董市に行ってきます。朝早いので今年初のダウンジャケットが必要でしょう。



9月23日
当然の事態なんだけれど、あっという間に秋になっている。8月は2週間少しを日本で過ごしたので余計に夏が短く感じる。こっちで半袖着て町を闊歩できたのなんて合計で2週間もきっとなかった。それでみんな太陽が出ると多少どころか恐ろしく寒くても、陽のあたる場所に出るんだろうなと自分では納得している。シミがあろうと肩も背中も出しちゃうし、脂肪があろうとへそも出してしまいます。ああいう我が道を行く姿勢は見習わなくっては。ただし、悪いほうに作用すると(不運なことにそのほとんどは悪いほうに作用するために存在している)たちが悪い。なにせフランス人全員が我が道を行っているわけだから。たとえば。たとえばというと死ぬほど例があげられるけれどスーパーなんかがわかりやすいか。あなたがなにか買いたいとして、売り場がわからない。売り子さんを捕まえてたとえば「たわしってどこに売ってる?」って聞くとする。このスーパーにはたわしが売っているのだけれど(そんなことあるわけないが)、この売り子はそれがなんだか知らないし、もちろん売り場も知らない。そうすると自信を持って「ありません」と答えてくれる。だから売り子によって答え方はまちまち。「去年まで売ってた」「品切れだと思う」「5階に行けばある」。運良く見つけて買ったとして、たわしの針金の「絞め」が甘くてすぐに壊れてしまう。文句を言いにレシート持って出かけると「私のせいじゃない」そう言い切る。僕はあきれるというよりその姿勢に感心して帰ってきてしまう。そういうことだ。



9月16日
辻仁成『白仏』 フランスの文学賞を獲った作品。これ以後、彼の本はすべてフランス語に訳されて出版されています。フランスで有名な日本人現代作家、村上春樹、村上龍、吉本ばなな、林真理子、そして辻仁成。その他の分野では村上隆の人気が急上昇中。
肝心な『白仏』の感想。死と死後の世界観が今作でもテーマです。このタッチが僕はわりと好きなのですんなりと入っていけます。何よりも文章が美しい。日本語ブームのニッポン、声に出したり練習するより本を読んだほうがいいのではないか?
坂本龍一がやってくる。日本よりはましなんだろうけどチケットが高い。迷っている。



9月8日
村上春樹ついでに『ダンス・ダンス・ダンス』再読。彼の作品ではここまで好き。
このあとはどうも胸にぐっと来るものが無い。これ以前の作品はいい、心の奥の奥にある井戸にぽちゃんと一滴垂れるような、そういう感覚。それにしてもよく人が死ぬものだ。
もうすぐ発売される『海辺のカフカ』が読みたくて仕方ないけれど、次回日本に帰るまで我慢しよう。こちらで買うと倍じゃきかないから。
それから、『北の国から』のVTRを友人が日本から持ってきてくれることになった!この間放映されていた総集編と最新かつ最後のものだ。ごろうさんは死んでしまうの?



9月4日
友人であるドミニク・ブッシェ氏が名誉あるレジオン・ドヌールという勲章を受章。そのパーティーに招待していただきHolel de Senat(議員会館)に行ってきました。そんな機会は2度とないのでしっかり見てきました。
リュクサンブール公園に面した素晴らしいロケーション、美味しい料理、そしてもちろん美味しいシャンパン。
師匠のポール・ボキューズ氏に勲章を渡される時、あんまりドミニクが緊張しているのでこちらまで緊張し涙が出そうになりました。
リンクのページに彼のサイトをアップしました。ご心配なく、日本語ページもあります。



8月末日
日本から持ってきた『ノルウェイの森』再読。初めて読んだあの頃の衝撃はないけれど何度読んでも本当にいい小説。少しずつ読み方も変わってくる。こういうベストセラーって特にこの小説は玄人に過小評価されている。残念。



8月某日
日本に帰る飛行機の中でくだらないアメリカのサスペンスを読む。



7月某日
『肩越しの恋人』唯川恵著を読む。誰が読んでも誰かに当てはまりそうな個性的な女2人と家出した高校生男子の奇妙な同棲生活からそれぞれの旅立ちのお話。テンポよくストーリーも面白いのであっという間に読み終えた。ただ直木賞ってのにはどうかと思うけど。



最近、辻仁成の『太陽待ち』という本を読んだばかり。『羊をめぐる冒険』と『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』をシェイクして辻仁成がくちゅくちゅぺっとした感じでした。話の中でいろんな世界が同時進行し繋がっていく様子が見事でした。美しい日本語がとても印象的。

これを読んだあとに『hush!』という日本の映画を見た。長マワシというのでしょうか、カットの入らないながーいシーンが2度(だと思う)あるのですが、俳優陣の演技がとてもよかった。特にアサコ役の女優。全然見たことのない人だけれどなんという女優なんだろう。演技というよりもドキュメンタリーのようなナチュラルさがよかったです。はい。



『天空の城ラピュタ』も観た。86年の作品だと知り驚いた。「土に還る」というメッセージはこの先ずっと心に残るだろうと思う。あの二人があっさりとラピュタを後にしたのがちょっと気になる。



パトリシア・コーンウェルの検屍官シリーズを3冊まとめて読んでみる。さすがに面白く長さを感じさせない。このシリーズはどこまで続いているのか、他にはどんな本を書いているのか、あとでbk1で調べてみよう。
とはいってもここではなかなか本が手に入らないので友人同士でまわし合うか、高い高いジュンク堂パリで買うしかない。個人的にジュンク堂では絶対に買わないようにしている。高すぎます。